BIRD-CAFE
野鳥天国
山野の鳥達
駒鳥(コマドリ)
スズメ目/ヒタキ科/ノゴマ属
桜が終わった頃に中国南部方面から渡って来る夏鳥で、言う迄も無く日本三鳴鳥の一つであり悍馬の嘶きの様な勇壮な鳴き声から付けられた名前である。
色合いは兎も角同じ科の小瑠璃とは比較的似た生態であるが、見付けると大抵の場合執拗に追い払う。
渡りの途中に都市公園等でも見掛けられ、現に大阪城公園や箕面公園や尼崎農業公園でも見掛けたし、撮りもしたがあのシチュエーションでは私の頭の中のイメージとは大幅に違い全て削除した。
雪の日に鶯を写している時、急に駒鳥と小瑠璃を写したくなり色々考えた挙句笠取林道へ行く事にした。
問題は何時行くかだが、これは熟慮の末連休の直前と直後にした・・・ま、それはどうでも良い。


雀位の大きさで、太く長く丈夫な脚等小瑠璃と似ている。
ところで脚を観る限りに於いては、どうもこの個体は若そうである。
何年間か飼育した経験から判るのであるが、駒鳥の脚は歳と共に鶏の脚の如くにカサカサで筋が入って来るものである。
尾を立てたり、扇型に広げたりしながら囀るので「手振り駒」と言って手を振ると囀る様に教え込んで楽しむ人も居た。
ところで笠取林道撮影行であるが、4月24日から3泊で出掛けた。
厳密には23日の23時に出発し、休み休みしながら6時半頃に柳沢峠駐車場着。
前年に下見しておいた撮影場所へは7時に着いたが、丁度駒鳥が出ており既に20人以上が撮影中であった。
私も遅ればせながら三脚を立てて、200〜600mmを着けたα1を載せて少し写した。
写している最中、駒鳥の直ぐ向こうの笹薮に小瑠璃が・・・良く観たら黒鵐の雄だった。

笹薮をバックに苔生した倒木や切株、そしてその周りには沢山の枯れ落ち葉・・・正に絵に描いた様なシチュエーションではないか!
贅沢を言うなら苔がもっと深い緑色で湿っていて欲しかったが、そこ迄は望むまい。
一頻り囀った後、駒鳥は笹薮に消えたのでもう少し良い場所をと切株の真正面へ移動した。
体力が心配な私は散々迷った挙句この日は、三脚はRRSのTFC24MK2にレベラーはiFootage QL-1を挟んで、雲台はLeofoto BV-5と軽量主義で臨んだ。
ところで私は三脚を一番低い状態にセットしたが、周りの人達は皆中腰以上の高さで写している。
坐って写すより立って写す方が楽ではあろうが、出来る画を想像すれば立って写したくは無いし、坐った方が少しでも鳥を刺激しなくて済むと言うものだろう!

そうこうしている内に小雀が二羽現れて餌探し・・・それにつられるかの様に駒鳥も意外と早く出て来た。
倒木の端に止まって辺りを睥睨するかの様に見廻しているのは、小瑠璃を探しているのかも知れない。

次に苔生した倒木に止まりキョロキョロし出した。
小瑠璃を探しているのでは無くて上空の天敵を警戒している風に見えた。


小瑠璃にばかり気を取られていたら我が 生命の方が危うくなるだろう。

安全確認が出来たらお目当ての餌場へ向かう。

餌は枯れ落ち葉の下に潜む蜘蛛、蚯蚓、ゴミムシ等が主で他の鳥達と何等変わりは無い。

良く観ているとどの鳥もそうだが只闇雲に餌探ししている訳では無く、確りと聞き耳を立てている風である。
で、その音を頼りに苔や枯れ落ち葉を捲って餌に突進している。


言う迄も無いが餌探しの間も絶えず上空 を警戒している。
それを怠れば自分が餌になるだけの事であるのだから、野生は厳しい世界である。

小瑠璃と違い駒鳥は結構樹上で囀って呉れるものである。
今回も何度か樹上で囀って呉た。その度毎に大勢が三脚からカメラを外して其方へ向かって行く。
勿論私もそうしたいが体力的に厳しいのでそれは諦めた。
何にしても美しい新緑や青空をバックに出来ない状況では、出来る画を想像すれば余り気は進ま無かった。

駒鳥と小瑠璃が交代で出て呉れたので老骨に鞭打って遠距離を出掛けた甲斐は充分にあったと喜ぶべきであろう。
往復千km強、十年前なら何等気にもならない距離であるが八十間近の我が身には結構気が重い距離ではある。
考えてみれ十年前は現役でレースに出ていたものだ。今にして思えばその頃から鳥撮りを始めていたらと臍を噛んでも手遅れである。
ところで今回は駒鳥も小瑠璃も思いの外良く出て呉れ、十分撮れたので連休後の撮影行は止める事にした。
さて来年は来られるやら?




